私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
まだ少しだけ余裕そうな感じでドリブルをしてる藍斗。
だけど、そのドリブル。何回俺が相手してきたと思ってる?
藍斗から見て右。俺から見て左から抜こうとしてるのは、昔からの付き合いだから何となく分かった。
どうしても切羽詰まった時には利き手側から相手を抜きたくなる。それは今のこの状況でも言えること。
しっかりとマークしてる藍斗を見る。
一度左から抜くと見せかけて…………。
───パシッ!
右に切り替えそうとしたところから上手くボールを横取った。
「っ!しまった!」
一瞬だけだったけど見た藍斗の顔は、すごく焦った様子。
すぐに藍斗以外が代わりに止めにやってくるけど上手くかわしてこっち側の陣地へ向かう。
味方の後押しするような声が聞こえてくるのと同時に、みんなが相手をマークしてくれてるのが見えた。
じゃあ、ここは決めないとな。
しっかりと状況を見て、冷静に…………。
スリーのラインから放ったボールは、ゆっくりとゴールへと吸い込まれていった。