私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
…………まさか俺が……。
しかも、見るからに華音って無自覚だから俺の事意識はしてるけど、ただ男に慣れてないからって感じの反応だし。
ちゃんと俺のこと見てくれるようになんのかな?
気づいた気持ちとは裏腹に、この無自覚天然お姫様が相手だと大変そうだなーとは思う。
で、目の前にいる華音は、俺の顔を見てちょっとだけ嬉しそうにしながら顔を覗き込んできやがる。
きっと華音が嬉しそうにするくらいには俺の顔が少なからず照れたようになっているんだろう。
ちょっとだけ悔しくて可愛く覗き込んでくる顔を片手で覆う。
「ちょっと、颯真!」
もちろん、俺が急に顔を隠すから抵抗してきた華音。
だけど、こんなダサいところ見せたくないからな。
「……ご飯、作ってくれたんだろ?食べよっか」
大きく深呼吸をしてから気持ちを落ち着け、顔を覆っていた手を外した時には表情を元に戻した。
そんな俺にすごい不服そうだったけど、お腹が空いていたということもあっていつも通り穏やかに夜ご飯を食べ終えた。