私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「ごほうびの件、考えておくから」
言いながら口角が上がっているのが分かる。
後ろ姿しか見えないからどんな顔をしてるのか分からないけど、びっくりしたように肩が上がっていた。
それに。
「…………っ、分かった……」
ちょっとだけ上擦った声でたった一言だけ告げて、早々にお風呂場へと向かって行った。
絶対に振り向かないし、少し小走りだし、色々とテンパってるのは顔を見なくても分かる。
「ふっ。可愛いやつ」
こうやって、自然とそう口に出てしまうくらい俺は華音にハマってる。
これからどうするか……。
出来れば華音も俺の事意識してくれればいいんだけど、さっきのあの反応。
あれは意識してるうちに入るんだろうか?
…………いや、ないか。
今まで本当に恋愛経験ないんだなーって改めて思うくらいに華音は初すぎるし。