私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
俺自身も、あまり恋愛に対していいイメージを持っていないし、誰かを好きになったこともない。
“黒崎財閥の御曹司”であること。それを目的に周りの大人が近づいてくることが多かった。
あとは、この見た目。御曹司であることも相まって学園の女達が近寄ってきてた。
『格好良い』『王子様』そう言われる度に、誰も俺の中身を見てくれないことに落胆して。
いつしか俺は、みんなが言うように王子様を演じて周りの目を欺くことに慣れていった。
今ではもうそれが染み付いていたから、学園での歓声も、パーティーとかでの大人の営業感丸出しのもてはやしも当たり前に思ってしまっていた。
それが当たり前ではない、ということに気づかせてくれた華音。
強気でツンデレ、だけど負けず嫌いの努力家で素直になれないところがある。
周りの変化は敏感に感じ取るのに、自分のことや恋愛面に関してはかなりの鈍感。
さぁて。そんなお姫様をどうやって落としていこうか?
今までは無意識にちょっかい出してたまに怒らせてたけど、今からは違う。
ちゃんと意識してもらうように色々と考えてかねぇとなー。