私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「はあ!?なっ、何で……」
『だって、華音ちゃんのドレス姿見たいじゃない?美華にも会いたいし、藤堂家も招待したの~♪じゃあ、また詳しいことは近くなってきたら連絡するわねー!』
「ちょっ、母さん!…………って、勝手に切りやがった……」
相変わらず俺の返事は特に聞かず、言いたいことだけを言って電話を切る母さん。
いつものことだから、俺が何言っても聞かないだろうし……。
それに、華音も誘ってるなんて。母さん、気に入ってるからなぁ。
もちろん、この婚約のことは公になっていないから2人で参加ってことにはならないとは思うけど、色々と複雑だな……。
絶対に周りの男からの視線や誘いとか色々受けるんだろう、って考えただけでイラッとする。
「華音は俺の婚約者だ」とはっきり言えればいいのに。俺達の関係はただの同居人、ってとこだろう。
ソファに倒れ込んだ俺は、そのまままだ少しだけ先のパーティーのことを考えながら目を閉じた。
まるで、このパーティーで色々起こることから目を背けるように…………。