私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
ついこの間まで中学生で、あと少しで高校生だって時に婚約者がいると言われ、同棲を強いられている。
それに、まだ自分が”藤堂財閥の令嬢“だとということの重みを知らない。
きっと将来は好きな奴と結ばれて〜とかそういう風に思っているんだろうけど、みんながみんなそうではない。
愛だの恋だの、そんなものは必要ない。
どうせ女は顔と金があればそれでいいんだろ?
だからみんな俺に寄ってくる。
誰も本当の俺を見ることなんて…………。
「颯真?聞いてる?」
ボーッとしていたらしい俺に、母さんが問いかける。
いけねぇ、俺としたことが。
「聞いていましたよ」
「じゃあ、颯真はどう?同棲のこと」
どう?なんて聞いたところでこれを覆すことは出来ない。それはもう分かる。
だったら無駄に抗わない方が賢いと思う。