私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「待って」


 突然手首を掴まれた。


 びっくりしてすぐ振り向くと、少し笑みを浮かべる颯真と目が合う。


「えっ、な、何……?」


 手首を掴む大きな手。私よりも高い身長。色素の薄いタレ目が私を見る。


 そんな整った人がこんなすぐ近く、目の前にいる。



「それ自分で脱げるの?」


「え?」


「着物」


 颯真はそう言いながら、手首を掴む手とは逆の手で帯へと手を回す。


 その体勢になると必然的に距離がさらに縮まる。



「……ねぇ、それ脱がせてあげようか?」


「っ!///」


 わざと耳元で問いかけるようにそっと呟く。


 そんな近くで話さないで///

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