私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


『好きな人に美味しく食べて貰えますように、って想いながら作ると更に美味しくなるわよ』

 料理を教わるようになってすぐ母さんに言われたこと。


 例え喧嘩してしまっても、悲しいことがあっても、作り手の美味しく食べて欲しいという気持ちが伝われば自然と笑顔になる。


 だから俺もよく母さんと一緒に、忙しい父さんへ“お疲れ様”という意味を込めて料理を作った。


 その度に父さんは嬉しそうに何度も「美味しい」と呟いてくれて頭を撫でてくれた。


 俺はその言葉が嬉しくて、今も料理をしている。



『美味しいものは人を笑顔にする』

 これは父さんの口癖。



 だから、さっきのこと。


 からかいすぎてしまったことを反省しているという気持ちを少しでも分かって貰えたら……。


 そんな想いを込めて、俺は夕飯の準備をした。

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