私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「はぁ……。もう、ママっていっつも強引なんだから」
大きなため息をついてからバッと俺の方を向く。
「もうここまで来たら諦めてママ達に従うしかないみたい。私、バレないように頑張るから颯真、学園でのサポートお願いします」
何かを覚悟したような強い瞳。
その瞳に俺は頷くしかなかった。
俺がするのは従兄妹として演じることと、藤堂華音だとバレないようにサポートすること。
まあ、よく見たらバレるかもしれないけど下手をしなければバレないだろう。
色々と条件が増えて大変そうだけど、何とかやってみますか。なんて考えながら、少しだけ楽しみにしている俺もいる。
それに、一宮学園の方にも話は行っているはず……となると、心強い味方になってくれそうな“あいつ”も話聞いているはず。
「じゃあ、改めて。よろしくな、華音」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
こうして慌ただしい日が終わり、期間限定の俺達の同棲生活が始まった。