私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「ふぁぁ〜。おはよぉ〜」


 ちょうど出来上がった頃に大きなあくびと共に颯真が起きてきた。


 結局昨日は同じベッドで寝ることはなく、颯真は自分の部屋のソファで寝てくれた。


 やっぱりまだ一緒に寝るということに抵抗感があることを悟ってくれたみたいで、この提案をしてくれた。



「ん?朝ご飯作ってくれたんだ」


「うん。夜ご飯作ってくれたから」


 まだ少しだけぎこちなさは残るけど、ほとんど普通に会話ができる。


 パーティとかでは私だけど私じゃない、みたいな。藤堂家としての私でいるから余所行きの顔しているから誰とでも話せる。


 でも私生活の中で異性の人とは仲良くならないと普通に話せないから、普段の私としてはかなり話せている方だと思う。



「すっげえ美味そうじゃん!ありがとう」


 颯真はそう言うと盛り付けたお皿をサッとテーブルに運んでくれた。



 運び終わったら昨日みたいに「いただきます」を言ってから黙々と食べた。


 「美味しい」と言いながら食べてくれるのが嬉しくて、口元が緩んだところ。


 見られていないといいな、なんて。そんなこと気にしている自分に苦笑いをしてしまった。

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