私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「佐々木さん!」


 玄関を出るといつもと変わらず優しい笑顔を浮かべた佐々木さんが立っていた。


 佐々木さんが送迎してくれることは昨日の手紙の続きに書いてあった。


 一宮学園はここからそう遠くはないみたいで、10分程で着くらしい。


 そして、このマンションは私と颯真の家からもそこまで遠くはないらしい。


 でもどちらかと言うと私の家の方が近いということで、うち専属の運転手の佐々木さんが送迎をしてくれることになったそう。



「華音様、颯真様。今日からお2人の送迎をすることになりました、佐々木です。よろしくお願い致します」


「佐々木さん、こちらこそよろしくお願いします」


 にこやかに佐々木さんに話しかける颯真。


 家では本性出してめちゃくちゃ意地悪だったのに、今ではこんな笑顔出して良い子を演じている。


 初対面の時もそうだったけど外面よすぎない?


 怖いすぎるし、呆れる……。

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