私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「今日から一宮学園に通うことになった従兄妹の華音さんです。少し案内してくるから俺達はここで」


 サラリとそう言うと、颯真はそのまま玄関に向かって私を引いた。


 その行動にまた悲鳴が響く。


 後ろを振り向くと、従兄妹だと聞いて安心していたり、颯真がいなくなって残念そうにしている様子が見えた。


 私のいた学校ではこんな風に騒がれる人はいなかった。


 たったこれだけの時間でこの騒ぎって、一体颯真は何者なの?


 もし、これが従兄妹ではなくて本当は婚約者だってバレたら……。


 考えただけでゾッとする。


 絶対に学園中の女の子達を敵に回しちゃうからバレないようにしないと。



 そんなことを考えながら颯真に手を引かれるまま玄関へと進む。


 在校生ということもあり、颯真は私の下駄箱の位置も大体分かっていたみたいですぐに見つけてくれた。


 そしてそのまま入学式の会場となる体育館まで案内してくれた。

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