私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


 俺はドライヤーを取りに行くと、華音がいるソファに座った。


「乾かしてやるからちゃんと座れ」


 俺の言葉に反応したのか、のそのそと起き上がり、なんとか座った華音。


 それを見てからドライヤーのスイッチを入れた。



 綺麗でサラサラなこげ茶色の髪の毛がドライヤーの風で揺れる。


 やっぱりあの変な黒のウィッグより断然こっちの方がいい。


 つーか、人の髪の毛を乾かすなんて初めてで、これで合ってんのかすら分からない。


 華音はさっきまでの強気な感じはなく、全く抵抗せず大人しく乾かされている。


 なんか猫みてぇ。



「…………っと、こんなもんか」


 完全に乾いたことを確認してドライヤーを消した。


「ほら、乾いたからさっさと部屋で寝ろ。明日も学校なんだし」


 後ろからそう声をかけると、華音はゆっくり振り返って。

< 86 / 170 >

この作品をシェア

pagetop