私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
「…………ありがとう、颯真」
「っ!?」
不意打ちで来た素直な言葉。
びっくりして華音を見ると、眠いからか少し潤んでる目と目が合う。更に上目遣い。
おまけに、シャンプーのいい匂いと薄めの部屋着。
さすがの俺も不意打ちを喰らい、何も言葉を返せない。
「じゃあ寝る」
何も言わない俺には目もくれず、うとうとしたままリビングを出ていった。
「…………いや、あれはダメだろ……」
ドアが閉まると同時に俺はソファに座り込んだ。
無意識だとは思うけど、あんな無防備な姿見せられたら男は誰でもドキッとしてしまう。
俺ですら不覚にもやられてしまった。
可愛いと噂だった華音。そんな華音と住み始めてまだ2日で、こんな心を乱されるとは思っていなかった。
……俺もさっさと風呂入って寝よ。
重い腰を上げて、俺も風呂場へ向かった。
まさか、これから華音に色々と振り回されることになるなんて思わずに……───。