私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*


「…………ありがとう、颯真」


「っ!?」


 不意打ちで来た素直な言葉。


 びっくりして華音を見ると、眠いからか少し潤んでる目と目が合う。更に上目遣い。


 おまけに、シャンプーのいい匂いと薄めの部屋着。


 さすがの俺も不意打ちを喰らい、何も言葉を返せない。



「じゃあ寝る」


 何も言わない俺には目もくれず、うとうとしたままリビングを出ていった。




「…………いや、あれはダメだろ……」


 ドアが閉まると同時に俺はソファに座り込んだ。


 無意識だとは思うけど、あんな無防備な姿見せられたら男は誰でもドキッとしてしまう。


 俺ですら不覚にもやられてしまった。


 可愛いと噂だった華音。そんな華音と住み始めてまだ2日で、こんな心を乱されるとは思っていなかった。



 ……俺もさっさと風呂入って寝よ。


 重い腰を上げて、俺も風呂場へ向かった。



 まさか、これから華音に色々と振り回されることになるなんて思わずに……───。

< 87 / 170 >

この作品をシェア

pagetop