私と君の関係 *学園の王子は婚約者様!?*
*華音side*
一宮学園に通い出してから2週間が経った。
最初の1週間は、だいたい自己紹介や授業の内容説明やオリエンテーションみたいな感じで過ぎていったし、今はもう授業も始まってる。
クラスの人の名前も少しずつ覚えてきた今日この頃。
私はとあることに頭を悩ませています。
それは。
「……ねえ」
「何?」
「颯真って出来ないことないの?」
そう聞かなければならないくらい颯真が完璧だと言うこと。
文武両道はもちろん、周りの人には品行方正(猫被ってるけど)で、家事も出来る。
私に対しては思いっきり素だけど、外での様子を見る限りは噂通りのパーフェクト王子様なんだと改めて実感した。
突然言い出した私を一瞬だけ横目で見た颯真は、また視線を戻し朝ご飯の支度を始めた。
「ないな」
「……ムカつく。私も朝か夜、ご飯担当する」
「華音はまだ入学して日が浅いだろ?慣れてきてからでいいよ」
この2週間、何度この会話をしたことか。その度にそう言われて何も言えなくなってしまう。