押入れから王子が出てきましたよ?
「あっ、あれっ?
火がつくと、人形の中の人も熱いんですか?」
と訊くと、王子は、表情がわからないので、恐らくだが―― 渋い顔で言ってきた。
「いや……。
そこまでのことをされれば、おそらく、火がついた瞬間に人形から離れるだろうから、大丈夫だと思うが」
言いよどむ王子の後ろで兵士たちが、
「紬様は知略に富んでらっしゃるが、恐ろしいな」
「そうだな。
恐ろしい死の女神だ」
と囁き合っている。
「いや……ちょっと言ってみただけじゃないですか。
……ねえ」
火がつくと、人形の中の人も熱いんですか?」
と訊くと、王子は、表情がわからないので、恐らくだが―― 渋い顔で言ってきた。
「いや……。
そこまでのことをされれば、おそらく、火がついた瞬間に人形から離れるだろうから、大丈夫だと思うが」
言いよどむ王子の後ろで兵士たちが、
「紬様は知略に富んでらっしゃるが、恐ろしいな」
「そうだな。
恐ろしい死の女神だ」
と囁き合っている。
「いや……ちょっと言ってみただけじゃないですか。
……ねえ」