腹黒天才ドクターは私の身体を隅々まで知っている。
そして検査以外は、食べて、寝て、歩いて良いのはトイレだけ。ものすごく退屈だった。


「鷹峯さぁーん、入院ひま。ひまひまひまひま」

(うるさ)いですよ。他の患者さんもいるんですから静かにして下さい」

病室のベッドの上で、診察に来た鷹峯さんに何度そう怒られたか分からない。

隣のベッドの女の子がちょうど検査から帰ってきたところで、子どものようにごねている私を見てびっくりした顔をしていた。


しかしやはり、入院までして全部検査しても結果は異常なし。つまり現代医学では原因不明。

当たり前だ。だって原因は幽霊なんだから。


< 25 / 110 >

この作品をシェア

pagetop