腹黒天才ドクターは私の身体を隅々まで知っている。
私が通りすがりの人達に色々言われて、落ち込んでたこと、気にしてくれてたんだ。

セフレの女の人じゃなくて、あの店で私への贈り物、選んでくれてたんだ……。

「あ……ありがとうございます……嬉しいですっ……!」

本当に、心から嬉しかった。私の言葉に、鷹峯さんは満足そうに頷きながらまたワイングラスを傾けた。

私はじっと、鷹峯さんの綺麗な顔を見つめる。

〈格好良いわね、鷹峯さん〉

「……」

うん、格好良いよ。

口には出さないけど、私は心の中で春夏に同意した。




< 61 / 110 >

この作品をシェア

pagetop