腹黒天才ドクターは私の身体を隅々まで知っている。
彼女の名前
火野崎大学医学部附属東京病院の待合ロビー。今日は産婦人科の美怜先生に診察してもらう日だ。
結局鷹峯さんのところで診てもらっても特に異常はなかったため、貧血のフォローだけなら近場の方が良いだろうとこちらの病院でお世話になることになったのだ。
「……うん、血液検査の結果も少しずつ良くなっているわね」
美怜先生がパソコンの画面に映された検査結果をスクロールしながらそう言った。
「良かったです……ていうことはやっぱり、私はただの不摂生による貧血だった、ってことですよね? あ、あと幽霊のせいもありますけど」
まだ異常なしという診断に少しだけ不安があって、私は美怜先生に訊ねる。悪い病気という結果だけは困る。
「……幽霊……うん、まぁあいつが異常なしって診断したならそうなんでしょう。あいつがそこら辺、とちるわけないし」
美怜先生はショートカットの黒髪を耳にかけながら綺麗な顔で笑う。幽霊の部分は華麗にスルーされた。
「随分信頼してるんですね、鷹峯さんのこと」
私と鷹峯さんの間にはない信頼関係が美怜先生にはある。それが何だか羨ましく感じて、私は上手く笑えないままそう口にした。
「んー、まぁ……。性格はともかく、医者としての才能はね?」
結局鷹峯さんのところで診てもらっても特に異常はなかったため、貧血のフォローだけなら近場の方が良いだろうとこちらの病院でお世話になることになったのだ。
「……うん、血液検査の結果も少しずつ良くなっているわね」
美怜先生がパソコンの画面に映された検査結果をスクロールしながらそう言った。
「良かったです……ていうことはやっぱり、私はただの不摂生による貧血だった、ってことですよね? あ、あと幽霊のせいもありますけど」
まだ異常なしという診断に少しだけ不安があって、私は美怜先生に訊ねる。悪い病気という結果だけは困る。
「……幽霊……うん、まぁあいつが異常なしって診断したならそうなんでしょう。あいつがそこら辺、とちるわけないし」
美怜先生はショートカットの黒髪を耳にかけながら綺麗な顔で笑う。幽霊の部分は華麗にスルーされた。
「随分信頼してるんですね、鷹峯さんのこと」
私と鷹峯さんの間にはない信頼関係が美怜先生にはある。それが何だか羨ましく感じて、私は上手く笑えないままそう口にした。
「んー、まぁ……。性格はともかく、医者としての才能はね?」