【超短編】とある日の屋上
その日は快晴だった。
グラウンドではサッカー部や
野球部が練習している。
ここからだとよく見える。
前を見れば最近出来た
新築のマンションやショッピングモール、
下を見れば生い茂った木々が見える。
僕は今からあそこに飛び込むのだ。
決意を再確認して、
まだ踏み出せていなかった
片方の足を前に出す。
「ちょっとそこのあんた!」
後ろから声をかけられて思わず振り向く。
そこには髪の長い女性がいた。
「今から死ぬつもり?」
「そうだけど」
僕は淡々と答えた。
今日は天気がいいんだ。
綺麗な空の日に死にたいと
考えていてやっと回ってきた
チャンスなんだ。
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