ファーストソング
12
「何、急に大きな声だして。体に障るからやめなさい。」
「ごめん。」
こんな時でもお姉ちゃんは冷静だ。
お姉ちゃんは頭がよくて、東大に通っている。
何学部とかは知らないけど、将来安泰だと思う。
そんなお姉ちゃんはお母さんたちが来れない時に、荷物を持ってきてくれたりする。
今回もそういうことだろう。
「それで、何がダメなの?」
「お母さんたちに報告するの…。」
「だって櫻井先生に呼ばれたんでしょ?」
「呼ばれたんじゃなくて、相談しに行ったの。」
「相談…。アンタが?」
お姉ちゃんが信じられないという目で見てくる。
それも仕方がない。
余命宣告されてから、自分から行動することは滅多になくなった。
そんな私が自ら櫻井先生に相談したのだ。
そりゃそんな目で見てくるはずだ。
「また…、曲を作ろうと思って。」
「それって、詳しく聞いても大丈夫な話?」
「あ、『フユ』とは関係ない。あれはもう引退したから。」
「知ってるよ。」
お姉ちゃんは数少ない『フユ』を知る人物だ。
恐らく最後の曲をアップしたのを聞いたんだろう。
知ってたからこそ、お姉ちゃんは今まで何も言わなかったのか…。
「ごめん。」
こんな時でもお姉ちゃんは冷静だ。
お姉ちゃんは頭がよくて、東大に通っている。
何学部とかは知らないけど、将来安泰だと思う。
そんなお姉ちゃんはお母さんたちが来れない時に、荷物を持ってきてくれたりする。
今回もそういうことだろう。
「それで、何がダメなの?」
「お母さんたちに報告するの…。」
「だって櫻井先生に呼ばれたんでしょ?」
「呼ばれたんじゃなくて、相談しに行ったの。」
「相談…。アンタが?」
お姉ちゃんが信じられないという目で見てくる。
それも仕方がない。
余命宣告されてから、自分から行動することは滅多になくなった。
そんな私が自ら櫻井先生に相談したのだ。
そりゃそんな目で見てくるはずだ。
「また…、曲を作ろうと思って。」
「それって、詳しく聞いても大丈夫な話?」
「あ、『フユ』とは関係ない。あれはもう引退したから。」
「知ってるよ。」
お姉ちゃんは数少ない『フユ』を知る人物だ。
恐らく最後の曲をアップしたのを聞いたんだろう。
知ってたからこそ、お姉ちゃんは今まで何も言わなかったのか…。