ファーストソング

俺今他の曲もあるか聞かれた?

それって俺の歌声に興味がわいたってことだよな!?

俺は嬉しくなりながら、「あるよ!」と大きな声で言ってスマホを再度操作する。
そこから数曲千冬ちゃんに聞いてもらった。

俺の歌を真剣に聴いてくれている。

そういえば今まで俺の歌を真剣に聴いてくれた人っていたっけ?
そもそも俺の夢も馬鹿にしないでいてくれた人もいなかったよな…。

なんだか胸のあたりがポカポカする。

それでも感想がないと不安になる。


「どう…?俺の声?」
「うーん。無加工でコレならいいと思うよ。」
「本当!?」
「私、嘘はつかないから。」
「っしゃぁああ!!」


『フユ』に認められたみたいでめちゃくちゃ嬉しい!!
正直運を使い果たしたんじゃないかってぐらい。

思わず心の底からガッツポーズをした。

そんな俺と反対に千冬ちゃんの顔が少し不安そうにしている。

どうしたんだ…?
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