ファーストソング

普通に接してくれた唯一の同い年の男の子。

絶対知られたくなかった。

知られてしまえば、絶対に元の関係に戻れなくなる。
茶化したり、茶化されたり、そういった普通の友達関係が終わりを迎える。

私の体調に気を使って、私の体調に左右されて、友達が減るなんて絶対に嫌だ。

もう二度と友達を無くしたくないのに。
そんな気持ちから涙が出てくる。


「…!な、泣いて。」
「で?…どうしたいの?」


止まらない涙の中私は再度問いかける。


「…聞いた瞬間諦めようと思った。」


やっぱり。

私の気持ちなんてお構いなし。
みんな、私の元から消えていく。

最初から私なんていなかったみたいに…。

分かっていた。

分かっていたのに…。

どうして涙が止まらないんだろう…。
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