ファーストソング
8
俺と長瀬さんは近くのベンチに座る。
「ちょっと連絡してもいいかな?」
「はい。」
長瀬さんはスマホを触り、誰かに連絡をする。
予定か何かあったのだろうか…。
少し不安になるが、このチャンスを逃したくない俺はじっとしている。
「はい。もう大丈夫ですよ。…それで私に何を聞きたいのかな?」
「…あっと…。」
「聞きづらいこと?」
「…。」
「千冬のことだよね。なら…千冬の病気のこととか?」
「っ!」
その問いかけにビクッと肩が動く。
俺が言いづらくて黙り込んでいたのに…。
「正解みたいだね。」
「…はい。」
「千冬からは何も聞いてないの?」
「…聞いてないです。」
「そっか。…私回りくどいに苦手だからスパっと言っちゃうけどね。」
「はい。」
「千冬の来年の春までの命なの。」
「え…?」
長瀬さんからの言葉に頭が真っ白になる。
「あと1年。それが千冬がされた余命宣告の期間。だからあの子には時間がないの。」
事態は俺が思っていたよりもかなり深刻だった。
「ちょっと連絡してもいいかな?」
「はい。」
長瀬さんはスマホを触り、誰かに連絡をする。
予定か何かあったのだろうか…。
少し不安になるが、このチャンスを逃したくない俺はじっとしている。
「はい。もう大丈夫ですよ。…それで私に何を聞きたいのかな?」
「…あっと…。」
「聞きづらいこと?」
「…。」
「千冬のことだよね。なら…千冬の病気のこととか?」
「っ!」
その問いかけにビクッと肩が動く。
俺が言いづらくて黙り込んでいたのに…。
「正解みたいだね。」
「…はい。」
「千冬からは何も聞いてないの?」
「…聞いてないです。」
「そっか。…私回りくどいに苦手だからスパっと言っちゃうけどね。」
「はい。」
「千冬の来年の春までの命なの。」
「え…?」
長瀬さんからの言葉に頭が真っ白になる。
「あと1年。それが千冬がされた余命宣告の期間。だからあの子には時間がないの。」
事態は俺が思っていたよりもかなり深刻だった。