ファーストソング
5
「え、ちょっと!?」
「ってことで、俺今日何も準備してないから、また明日来ますね!その時俺が歌った曲も聞かせるんで!んじゃ!失礼しましたー!!」
そう走りながら大きな声で言う彼に、
手を伸ばしながら「…うそでしょ?」と小さく呟くことしかできなかった。
まるで嵐のような人だ。
急に現れて、急に消える。
外からナースさんの「走らないでください!」っていう声に「すいません!」っていう大きい声も聞こえる。
絶対反省してないな、アイツ…。
「騒がしい奴…。」
あんなチャライ男が毎日通うわけがない。
そう思っていた。
でも、少しの希望もあった。
彼が私の残り少ない人生を変えてくれるんじゃないかって。
「ってことで、俺今日何も準備してないから、また明日来ますね!その時俺が歌った曲も聞かせるんで!んじゃ!失礼しましたー!!」
そう走りながら大きな声で言う彼に、
手を伸ばしながら「…うそでしょ?」と小さく呟くことしかできなかった。
まるで嵐のような人だ。
急に現れて、急に消える。
外からナースさんの「走らないでください!」っていう声に「すいません!」っていう大きい声も聞こえる。
絶対反省してないな、アイツ…。
「騒がしい奴…。」
あんなチャライ男が毎日通うわけがない。
そう思っていた。
でも、少しの希望もあった。
彼が私の残り少ない人生を変えてくれるんじゃないかって。