ファーストソング
12
「…聞いちゃったんだ。」
ワンテンポ遅れて千冬ちゃんが口を開く。
「…それって、どこまで。」
「どういう病気かとかは聞いてない。けど…、余命宣告を受けたことは聞いた。」
「誰から?」
「…それは、その…ごめん。言えない。」
お姉さんから聞いたことは内緒にするべきだと思った。
内緒にしてと言われたわけではない。
だけど伝えたせいで長瀬さんと千冬ちゃんが喧嘩したら…。
そう思うと、俺は言えなかった。
「…それで、佐久間夏輝はどうしたいの?曲、諦めるの?」
少しの沈黙から放たれる言葉に俺は思わず肩が跳ねる。
俺はなんていうべきなのか。
俺はどうしたいのか。
さっきまで考えていたことが無に変わる。
そんな中鼻をすする音が千冬ちゃんから聞こえてくる。
その音に導かれるように彼女の顔を見る。
彼女の目から雫がポロポロと落ちていく。
それを見て思わず「…!な、泣いて。」と声をだしてしまう。
ワンテンポ遅れて千冬ちゃんが口を開く。
「…それって、どこまで。」
「どういう病気かとかは聞いてない。けど…、余命宣告を受けたことは聞いた。」
「誰から?」
「…それは、その…ごめん。言えない。」
お姉さんから聞いたことは内緒にするべきだと思った。
内緒にしてと言われたわけではない。
だけど伝えたせいで長瀬さんと千冬ちゃんが喧嘩したら…。
そう思うと、俺は言えなかった。
「…それで、佐久間夏輝はどうしたいの?曲、諦めるの?」
少しの沈黙から放たれる言葉に俺は思わず肩が跳ねる。
俺はなんていうべきなのか。
俺はどうしたいのか。
さっきまで考えていたことが無に変わる。
そんな中鼻をすする音が千冬ちゃんから聞こえてくる。
その音に導かれるように彼女の顔を見る。
彼女の目から雫がポロポロと落ちていく。
それを見て思わず「…!な、泣いて。」と声をだしてしまう。