ファーストソング

13

「長瀬ちゃん、失礼しますね…って今日も来てたんですね」
「前から思ってたけど鈴さんって俺にあたり強くない?」
「そりゃ病院に迷惑ばっかりかけてるからじゃない?」
「そんなにかー?」
「自覚なかったとは驚きです」
「そうだよ。 夏輝は声大きいんだから。 ねー」
「ねー」
「え?」


確かに昔からこしょこしょ話とか苦手だったけど…。

俺ってそんなに声がでかいのかな?


「はい! じゃあそろそろ長瀬ちゃんは夕食の時間なので! 佐久間くんは帰りましょう!」
「えー。もうそんな時間?」
「えーじゃないです! ほらほら鞄もって! どうせ明日も来るんでしょう!?」
「そうっすけどー!」


すがるような目で千冬ちゃんを見つめるが、彼女はとてもいい笑顔で「また明日」と言ってきた。

ソウイウトコロ、俺良クナイト思ウ。


俺は後ろ髪を引かれながら帰路についた。
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