幼馴染 × 社長 × スパダリ
観覧車はゆっくりとした動きでまわり続けている。
私達が観覧車に乗り込むと、係員の女性がドアを閉めながら声を掛ける。
「それでは、ドアの鍵を閉めますね。楽しい旅に行ってらっしゃい!」」
カチャンと鍵が掛けられて、観覧車はゆっくりと昇っていく。
涼ちゃんと二人きりの観覧車の中は、とても静かで、ドキドキとしている心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
「萌絵、小さい頃さぁ…高いところが恐くて、乗れないってピーピー泣いてたよなぁ」
「もう…恥ずかしいことを、思い出さないで…」
「でも、萌絵は大人になったら涼ちゃんと観覧車に絶対乗るから、他の人と観覧者に乗ったらヤダーって言ってんたぞ。」
「…私、そんな事言ってたんだ…可愛くない子供でごめんね。」
「…可愛かったぞ…だから俺は観覧車にそれから誰とも乗ってないんだ。俺の初恋は、萌絵だったんだよ。」
「…ウソでしょ…そんな…」
子供の頃の話だと分かっているが、“初恋”と涼ちゃんの口から言われるとすごく照れる…顔が熱くなる。