キラキラ星
もう1人のフリーターのカワちゃんは

川上 秀樹さん 19歳で 山下さんと同じ名前同じ年齢なので、《ヤマちゃん》《カワちゃん》になったらしい。

川上さんは昼間の弁当屋さんの仕事と掛け持ちしていて将来は居酒屋をやりたいそうだ。


春休み中はホールの事は山下さん、厨房の事は川上さんに教えてもらう。

蓮も俺も初めてのバイトで2人にフォローしてもらいながら、少しずつ仕事を覚えていった。

俺は平日のみ、蓮は金曜日が休みだった。

17:30から開店の串よし 17:00から開店準備

16:30から賄いの食事が出る。

賄いを食べながら大学の話になり、山下さんは工学部の建築学科で俺は工学部のデザイン学部。

蓮は経営学部、経営科らしい。

「光くんはデザイン学科かぁ〜 良かったね。」

「へ?」

「デザイン学科は女子も多いから彼女ができると思うよ?」

「いや、俺は彼女いるので…大学ではダサい服で変装するので山下さんは気が付かないと思います」

「え?ダサい服?なんで?」

「彼女は社会人になるので、モテないように…」

「ハハハ。そういう事かぁ〜!」

「光は、結構イケメンだよなぁ、お前さ〜モデルしてなかった?」

「蓮、雑誌で見たの?」

「え、何?光くんはモデルさんだったの?」

「ハイ。高校生の間だけですけど…
撮影は土日だけだったし、バイト代が良かったから」

「スゴイじゃん! あ〜だから彼女は心配なんだ」

「はい……でも、俺の方が心配ですけど…」

「彼女は美人なのか?」

「うん。まぁ…」

「光くんが羨ましいわ〜
蓮くんもめっちゃイケメンだから彼女いるの?」

「俺は…特定の彼女はいません。」

「え?特定はいないけど、女友達はいっぱいいるって事?」

「まぁ…」

「2人なら、ホストのバイトの方が稼げるんじゃない?」

「俺は女に気を使うとかイヤなので…」

「俺は、彼女を安心させる為にも女の子との接触は避けたくて…」

「イケメンは大変なんだなぁ。でも!もし、彼女や女友達の周りに彼氏募集中の子がいたら、オレにも紹介してよ〜」

ハハハと笑いながら賄いを食べた。


賄いの時間は山下さんから大学の話や履修科目の組み方などを教えてもらった。

俺も蓮も山下さんのおかげで入学前に大学のイメージも掴めてきた。
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