キラキラ星
社長と木田さんは顔を見合わせてビックリしていた

社長は腕を組み、目をつむって考えていた。

「MIKA…若手の指導講師も辞めたいのか?」

「はい。太陽が幼稚園に行く送り迎えやお弁当作り、小学生になったら宿題をみたり子供や家族と一緒にいたいんです。」

「………。木田は?」

「社長、MIKAは初期の事務所立ち上げから本当に頑張ってくれました。
MIKAに憧れてモデルになった子も1人や2人じゃあありません。

MIKAの幸せは仕事では無く家庭にあるのならこれ以上は……」

「……。正直、娘のような存在だからずぅーと一緒に仕事をしたいと思っていたんだが、俺も子離れしなきゃだなぁ…

寂しいけど
太陽くんの契約が終了したら退所にしよう」

「すみ…ません…社長、……木田さん……」

「いいやMIKA。事務所の事を思って太陽くんのモデル契約を了承してくれてありがとう。
坂田くんも、お婆さんもお母さんもありがとうございます。」

「社長、木田さん。美香と息子を最後までよろしくお願いします。」

「ああ、坂田くん。しっかりサポートします」

「ライト…ありがとう」

寝ていた太陽が泣き出した。

俺から太陽を抱き上げて美香があやす。

そんな美香を社長と木田さんは微笑みながら見ていた。

「じゃあ、契約する時には保護者のサインが必要になりますので、また坂田くんのサインを貰いにお邪魔すると思いますが、よろしくお願いします。」

と告げて、2人は帰って行った。
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