キラキラ星
社長室から専務室へ戻ると、急に胸がキューっと痛んだ。

深呼吸したらすぐに元に戻ったので特に気にもしなかったが、
なんとなく… 遺言の事を川村秘書に伝えておこうと思い、川村くんを呼んだ。

コンコン
「専務、お呼びでしょうか」

「うん。悪いね。実はね、〜…〜………」

っと、川村秘書に俺に万が一亡くなったら、弁護士に遺言状を預けてるから弁護士に連絡して欲しいと弁護士さんの名刺のコピーを渡した。

「え? 専務、どこか具合が悪いんですか?」

「いいや全然何も無いんだけどさ〜、
ホラ、市川常務の事があっただろう…
だからさ、もう遺言状を書いておいたんだよね」

「そうでしたか….」

「春から長男も働き始めるし、俺ももう歳だし」

「え? まだまだ若いですよ」

「ありがとう川村くん。まあ定年退職まで何も無いのが一番だけどね。」

「はい。今年も頑張りましょう。」

「ハイ。頑張ります!」っと言って川村秘書は退室していった。
< 412 / 526 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop