キラキラ星
するとお義父さんが、
「じゃあ私も考えている事を話すな。私ら夫婦も歳だし、颯太が修行から戻ったら工房もこの家も颯太へ相続したいと考えているんだよ。
剛、ほのかさんどうだろう」

「いや、お義父さん待って下さい。
剛くんが遠藤家の長男ですし、颯太が相続するのは…」

「いや義兄さん、俺は宝石とは無縁の仕事だしあっちに家を建てる時にウチから支援してもらったんだ。
俺はもうこっちには戻らないから颯太が相続するのに反対もしないし、
もし父さんが亡くなって遺産問題が出てきても一切辞退させてもらうつもりだから」

「しかし…」

「そうか。剛も大人になったなぁ」

「何だよそれ〜、子供だってもう中学生と小学生だっての!」

「剛、私が死んだら現金は母さんと美香とお前の3人で分けてくれ。
でも土地と建物と工房…
そしてメーカーからの発注は颯太に相続するからな」

「ああ、わかった。ほのかもそのつもりでいてくれな。」

「はい」

「お父さん、本当に颯太に相続して良いの?お母さんも大丈夫なのね?」と美香が確認する

「ええ、もちろんよ。孫の颯ちゃんが継いでくれるだなんて嬉しいわ。ねぇ、お父さん。」

「ああ、近いうちに遺言として弁護士さんに相談するよ。いいなみんな」

「颯太、爺ちゃんと婆ちゃんの事頼むな」

「うん…剛おじさん本当に俺が継いでもいいの?」

「ああ、その代わり頑張って修行して最高のジュエリー職人になれよ。」

「はい。」と言って颯太は剛くんとほのかさんに頭を下げた。
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