君とはただの幼なじみだった。
「私、中学校の時からずっと好きだった。
智也が夏帆と付き合ってる時も」

美桜は少し落ち着いたのか、部屋のベッドの上に座り込んだ。

「でも幼なじみだからって自分に言い聞かせて、必死に我慢してたんだ。」

美桜はテレビを見ながら話した。

「大学に入ったら忘れられると思って、大学で彼氏を作ったら忘れられると思って、それで今の彼氏と付き合ったの。」

智也はただ静かに聞いていた。

「でも無理だった。忘れられなかった。」

美桜は太ももの上に涙をこぼしていた。

「今の彼氏とは上手くいってないの。
すごく真面目で、いいひとなんだけど、私にはあってないんだよ。」

美桜は涙を流した顔でこっちを見ながら言った。

「楽しくないなーって思った時にいつも智也と話してた時が頭に浮かぶんだ。楽しく笑って話していたあの時、喧嘩して仲直りしてを繰り返してたあの時をいつも思い出した。」

美桜は必死に話した。

智也も美桜に近寄ってベッドに座った。
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