【完】月島くんは日高さんのことがお好き。


どうやら桔平は彼女とキスをしたらしい。それも大人のやつ。その時の顔が可愛かったのなんのって、デレデレな顔であまりにも自慢してくるものだがら、思わずチョップを喰らわせたのだ。


「僕だってちゅうしたいし?でもその前に友達にならなきゃいけないし、いろいろ僕も忙しいんだけどさ」


「どうしたらいい?」そう尋ねた僕に彼女はヒクリと口角を震わせる。


「・・・えっと、」
「笑いかけられるだけで即死しそう。今から盗撮した写真と向き合って耐性つけていった方が良いかな?どうしたら君みたいに自分に自信がつくと思う?」


頭の中をよぎったのは携帯の中に入っている合法的な写真フォルダ。桔平に頼んで遠くにいる彼女と2ショット風に撮ってもらった写真が何枚か入っているのだ。 

やっぱり仲良くなる為には、あの美貌を前にして緊張しないことが重要。すずちゃん本人と顔を合わせる前に、写真で予行練習するべきだろうか、なんて桔平に相談していた。


「つ、月島くんは、そのままでいいと思う、けど」
「だめ。あの子のタイプにならないと意味ないじゃん。その点女子って情報通だから羨ましいよねぇ。どうしたらいい?」


しかし、やっぱり相談は男子より女子の方が効率が良いとひしひしと実感している。特に友人が少ない僕の狭いネットワークじゃ、情報収集にも限界があるのだ。

好きなタイプとか、趣味とか、欲しいものとか、観察しているだけじゃ難しいところが沢山あるのが現実。

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