【完】月島くんは日高さんのことがお好き。


神妙な面持ちをしている僕を心配してくれたのか、すずちゃんは「どうかした?」と声を掛けてくれる。ダイレクトに伝わる優しさに一瞬フリーズしてしまいそうになった。

そして僕は、腰を深く折って、その思いを告げる。


「その、僕と友達になって!・・・くれま、せんか」


言った。ついに言ったぞ。

緊張して最後は敬語になってしまったが、僕はついに告げた。友達になってくれませんか、と。告白ではないにしろ、やっぱり相当な勇気が必要で、どくどくと心臓の波打つ音が頭に響いてくる。


「・・・・」

しかし一向に返事がこない。しばらく沈黙が続くこの状況にだんだん僕の体温が下がり始める。

「・・・日高さん?」

いきなり友達になってはマズかっただろうか。彼女は今、どんな表情をしているのだろう。不安になった僕はそろりと顔を上げた。


「ふふっ」
「・・・えっと、」


すると、すずちゃんは笑っていた。何か可笑しなことを言っただろうかと僕は目を見開いて、彼女をじっと見つめる。すると「あぁごめんね!・・・ふふっ」と謝るも、その小さい口からは笑いが溢れていた。
 
笑っている意味が分からなくて悶々としていると、すずちゃんは衝撃的な言葉を発する。


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