【完】月島くんは日高さんのことがお好き。
【3】月島くんは一歩進んだ
僕と彼女の可愛い逢瀬
拝啓、今頃彼女に浮気を疑われて距離を置かれている桔平へ。
僕は今、大変幸せです。羨ましいでしょう?羨ましがれこの野郎。敬具。
「屋上でご飯食べるの初めて!」
「そう?意外と人来なくて快適なんだよ、ここ」
「もっと早く来ていたら良かったな」
「凄く居心地が良い!」そう言ってお弁当のおかずを食べるすずちゃん。はむはむと小さい口いっぱいに食べる君が好き。
彼女のお母様が作るお弁当は、ハンバーグとかエビフライとかオムライスとか、お子様ランチで出てくるメニューが多い。聞いたところによると、どうやらお父様がそういった子供っぽいメニューがお好きらしい。
すずちゃんの可愛さはお父様からも遺伝しているのか、と僕は購買で買ったパンを齧る。視界が幸せすぎて、150円のメロンパンもホテルビュッフェの味がする。
「なんだか青春っぽくてドキドキしちゃうね」
「本当におっしゃる通りです」
「何で急に敬語?」
ドキドキするのはこっちの方だよ馬鹿!と今すぐに叫びたいのを抑える。
誰もいない屋上で男女2人でランチタイム。まさか日高さんと僕が一緒に居るなんて学校中の誰も思わないだろう。僕ら2人だけの秘密、なんてクサいセリフを大盤振る舞いするほど、僕の脳内はハッピーハッピーだった。