【完】月島くんは日高さんのことがお好き。


「志望校、決まったら私に教えてね」
「もちろん。一番に伝えるよ」

その話の流れに乗っかって、僕も尋ねてみる。

「日高さんは卒業したらどうするの?」
「私?」
「うん。日高さん、すっごい勉強頑張ってるから行きたい大学があるのかなって」
「・・・えっとね、」
「うん」
「・・・N大」

その答えは少し意外なものだった。

N大といえば県内でも大きいマンモス校。僕自身も受験を視野に入れている大学だった。偏差値もそう高くはなく、学部や学科も沢山あるためうちの卒業生も毎年何人も合格している。

もっと上を目指して県外に行くのかと思っていたが、高校の最寄駅から一本で行ける距離の場所とは。

そう思っていたことが顔に出ていたのか、すずちゃんは補足をするように「学校の先生になりたくて」と言った。

それを聞いてあぁなるほど、と納得する。


「そっか、確かN大って教育学部があるんだったっけ」
「!・・・うん、そうなの!」


確かにこの前も友達の勉強を見ていたのを思い出す。どうやら先生からオススメされている謂わば難関大でも教員免許は取得できるらしいが、そこは教育学部では無いらしい。
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