【完】月島くんは日高さんのことがお好き。



仮に将来、すずちゃんが教師になったところ想像しよう。僕はその学校の生徒に嫉妬するに違いない。青少年たちが「日高先生」と呼ぶのだろうか。それとも「すずちゃん先生」だろうか。どちらにしろ羨ましすぎる。


「ちなみに小学校の先生?中学校?それとも、高校の?」
「1番は高校の先生かな」
「・・・良いなぁ」


「じゃあ月島くんも先生目指したら?」とすずちゃんは笑う。そうじゃないけど、確かにそれもいいかもしれない。「日高先生」「月島先生」って呼び合うのもアリだ。


「いいじゃん。日高さん、先生似合いそう」
「へへっそうかな?お世辞でも嬉しい」
「・・・・」
「月島くん?」


照れたように笑うすずちゃんに胸が打たれる。

こりゃとんでもない破壊力だ。


「僕もN大、目指してみようかな」
「本当?知っている人がいたら私も嬉しい」
「ちゃんと勉強に本腰入れないと間に合わないかも」
「じゃあ今度の定期テストの勉強、一緒にやろうよ」

すずちゃんは「月島くんも成績上位の方だったよね?」と、僕のそんなところまで覚えていてくれたらしい。一緒にしようって、まさか彼女からデートのお誘いが来るなんて。まさかまさかの展開に驚いて口から変な日本語が飛び出る。
< 28 / 57 >

この作品をシェア

pagetop