【完】月島くんは日高さんのことがお好き。
「ングッ」
「月島くん?」
「やろう!一緒に!勉強!」
「ふふっ・・・うん!」
その後調子に乗った僕は「テストが終わったらお疲れ様会しない?」とすずちゃんを遊びに誘ってみた。
大博打をうっているような、そんな気分である。自分でも思い切った行動だ。少し前の話し掛けるだけで緊張していた僕とは大違い。でも大丈夫、今朝の星座占いは1位だったから。ラッキーアイテムのハンカチだって、ポケットに忍ばせてある。
「いいね。やろうよ、お疲れ様会」
「いいの?!」
「いいの?って、誘ってきたの月島くんじゃん」
心の中でガッツポーズをする。「テスト明けの最初の日曜日とかどう?」とまさか放課後ではなくて休日に会ってくれるらしい。
本当にコレは現実だろうか。僕は今、息してる?していない。息をすること忘れていた僕は、思い出したように深呼吸をした。呼吸がうるさい僕に優しいすずちゃんは「大丈夫?」と心配してくれる。はい好き。
僕は平静を装って「ごめん、ちょっと呼吸を忘れてた」と返す。心配してくれてありがとう。
「呼吸を忘れてた・・・?」
「あ、いや、違う。大丈夫、うん、大丈夫」
全然平静を装えていなかった。何が呼吸を忘れていただ。「心配してくれてありがとう」と首を傾げたままの彼女に伝えた。