【完】月島くんは日高さんのことがお好き。
「すずちゃんのことが好き」
「・・・うん」
「入学式の日からずっと。一目惚れだった」
入学式のあの日、君を初めて見た時からずっと。
まだ17年しか生きていないけれど、こんなにも好きになれるのは後にも先にもすずちゃんだけ。そう神様にだって誓えるほど、すずちゃんだけを想ってきた。
強いところも、弱いところも、知れば知るほど好きになった。わがままな僕はそれだけじゃ足りなくなって、今はずずちゃん“の”特別になりたいのだ。
「だから、僕の恋人になってくれませんか?」
どうやったら想いは伝わるのだろう。そう考えながら言葉を並べている間、すずちゃんはずっと何も言わずに聞いてくれていた。
全部を伝え終わった時、彼女はその大きな目で僕を真っ直ぐに柔らかく見つめる。
その目の奥におひさまのような温もりを揺らがせたまま、すずちゃんは口を開いた。
「私の方こそ、よろしくお願いします」
「・・・えっうそ、ほ、本当に?」
「本当。いつ言ってくれるんだろうって、ずっと待ってたのに」
ふふ、と笑うすずちゃんに僕はあんぐりと口を開ける。「やっぱり女の子は、告白されたいんだよ」と女の子のロマンを語る彼女の目の前で、僕はただ“日高すずは僕の彼女”と成った現実にもういろいろと爆発しそうだった。