【完】月島くんは日高さんのことがお好き。


「それに私、みんなから可愛いってよく言われるし、料理も出来るし、絶対に良い彼女になれると思うの!」 
「え?」


いや、ずずちゃんの方が可愛いわ。

それに料理も上手で献身的だと思うし、彼女こそが"良い彼女"のお手本になる人だろう。


「友達も私と月島くん、お似合いって言ってくれてるし」
「・・・ヴッ」

思わず咽せた。

「どうかな?」と上目遣いをするこの子は、きっと世間の男から見たら可愛い部類に入るのだろう。

そう思うのと同時に彼女を哀れに思った。だって、僕以外の人だったら告白をOKしてくれるかもしれないのだから。

こんなに胸の内に激オモ感情爆弾を抱えている僕を好きになってしまった彼女は可哀想な人である。

彼女の汚点を1つ挙げるのならば、僕を好きになってしまったこと。僕に好意を向けるなんて、なんて時間の無駄だと哀れに思った。


「月島くん・・・?」
「君とは付き合えない、ごめんね」


返事なんて考えるまでもない。

すずちゃん以外からの告白なんて、無論お断りなのだから。


「どうして?!何で私がダメなの?!」


振られると思っていなかったのか、女は本性を表したかのようにヒステリックに叫ぶ。


「だって僕、君のこと好きじゃないもん」


そう告げると「そんな」と信じられないような顔をしている。何故そんな自信があったのか僕の方が信じられない。

それに「どうして」と言われても答えは1つだ。君が日高すずじゃないから。ただそれだけ。すずちゃん以外の彼女なんて好意なんて嬉しくも何でもない。




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