Tear Flowes〜絶望の向こう岸〜

銃弾が切れると、互いに物陰から出て拳を握ってぶつけ合う。フィオナが蹴りを入れ、マーティーの体が壁にぶつかる。しかし、すぐに反撃されフィオナの体がマーティーによって投げ飛ばされ、蹴られてしまう。

「うっ……」

倒れたフィオナにマーティーが近付く。その手にはナイフがあった。

「久々に楽しめたが、もうそろそろ帰らないとな。大丈夫、死ぬことは美しい。それにあの世に行けば家族や上司に会えるんだ。寂しくないだろ？」

マーティーがそう言い、フィオナの首に手をかけてナイフを振り下ろす。すると、今まで無反応だったフィオナは目を見開き、マーティーの手を掴んで止め、横っ腹に蹴りを入れた。衝撃にマーティーはナイフを離し、フィオナは「ふざけるな！！」と怒鳴り付ける。

「お前が殺したんだ。私から大切な人を奪った。そんなお前の言いなりになんてなるものか！！お前が死ね！！」

マーティーに飛びかかるようにフィオナは彼を殴り付ける。何度も何度も、フィオナはマーティーを殴った。拳が赤く染まり、マーティーの顔がアザだらけになる。それを見下ろし、ハッハッと短い息を繰り返していたフィオナの目に、マーティーが持っていたナイフが見えた。