Tear Flowes〜絶望の向こう岸〜

「わあ、どれから乗る？」

「エヴァン、慌てるとこけるわよ」

人混みによって自然と二人の手は繋がれ、アトラクションを楽しむことになった。

ジェットコースター、コーヒーカップ、空中ブランコ、メリーゴーランド、アトラクションを楽しみ、お昼にホットドッグやサンドイッチを買って食べる。その時、フィオナが訊ねる。

「ねえ、この遊園地の近くにシオンさんとヴァイオレットさんのお墓があるのよね？」

エヴァンはジュースを一口飲み、頷く。その目はとても真剣なものだった。

シオンのお墓に、フィオナは葬儀以来行くことがなかった。シオンを死なせてしまったのは自分だと思い込み、その罪悪感からお墓に行くことを怖がっていた。しかし、今は違う。

「帰る前に、シオンのお墓に寄ってもいい？」

きちんと、マーティーを捕まえたことを報告したい。その思いからフィオナはエヴァンを見つめる。エヴァンは優しく笑い、「いいよ」と言いながらフィオナの頭に手を置いた。