無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
無自覚な恋人*01
お付き合い
和泉くんと付き合って、2日が経った日。
いつものように、水やりをするため早めに家を出る。
正門を潜り、教室に荷物を置いて花壇へと急いだ。
あっ……。
「おはようございます、先輩」
和泉くん……!
「お、おはようございます!あの、どうしてここに……?」
朝から会えると思っていなかったから、会えてとっても嬉しいけど……朝練じゃないのかな?
今の和泉くんは、部活のジャージ姿。
「朝練の前にちょっと……ここに来たら、静香先輩に会えるかなと思って」
それは……
私に、会いにきてくれたっていう、ことかな……っ?
嬉しくて、頰が熱くなる。
「あの、よかったらこれから朝ここで待ち合わせしませんか?」
「え……?」
「水やりの邪魔はしないので。朝から静香先輩の顔が見れたら、幸せだと思って」
和泉くんの提案に、私はこくこくと首を何度も縦に振った。
毎朝和泉くんに会えるなんて、どれだけ幸せなんだろうっ……。