無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜

マネージャー就任



翌日。私は登校してきたリナちゃんを見るなり、ぎゅっと抱きついた。



「リナちゃん……!」

「うわっ、どうしたの?」

「昨日ね、お母さんとお父さんに言ってみたの、マネージャーになりたいって」



昨日の夜、和泉くんにも許可をもらったから、両親に話をした。

マネージャーをしてみたいという気持ちと、学業との両立を頑張るから認めて欲しいというお願いを。



「そしたらね……いいって、言ってくれた……!」



ふたりとも、なんだかとっても心配していたけど……それでも、『楽しい高校生活を送りなさい』って言って、認めてくれたんだ。



「ほんと!?」

「うん!」



リナちゃんは私以上に、嬉しそうにしながら微笑んでくれた。



「……でも、和泉は?」

「和泉くんも、いいよって言ってくれたよっ」

「あら、意外ね……」



なぜかとても驚いているリナちゃんに、首をかしげる。

意外……?

< 29 / 94 >

この作品をシェア

pagetop