無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
予想もしていなかった提案に、驚いてパチパチと瞬きを繰り返す。
「それ、ほんと……!?」
背後から声が聞こえ振り返ると、そこには同じクラスのサッカー部の男の子たちが。
話が聞こえていたのか、なぜか目を輝かせてこっちを見ていた。
「実はさ、部員のやつらもみんな、戻ってきてほしいなぁって話してたんだっ……」
「は、花染さんがいたら、やる気でるっていうか……な、なぁ?」
「う、うん……!俺たちも、正式になってくれたら嬉しいなって……」
そんなふうに褒めてもらえるのは初めてで、私はなんて返事をしていいかもわからなかった。
サッカー部の皆さんが……。
たくさん迷惑もかけたのに、そう言ってもらえるなんて。
嬉しくって、きゅっと下唇を噛み締めた。
必要とされるって、こんなにも嬉しいことなんだなぁ……。
「何よ、盗み聞き?」
「き、聞こえたんだよたまたま!」
「あたしがやめた時は何も言ってこなかったくせに、男ってほんと単純というかわかりやすいというか……」
リナちゃんの言葉に、男の子たちは顔を真っ赤にしていた。