無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜

「したい」って打ちたかったのにっ……。

恥ずかしくて顔が熱くなった時、和泉くんからの着信が入った。

えっと……このボタンを押して……。



「も、もしもし!」



スマホを耳に当てて、電話に出る。



『ふっ』



スマホから和泉くんの声がして、口元が緩んだ。

離れているのに和泉くんの声が聞けるなんて……幸せっ……。



『ワンコールで出てくれるとは思いませんでした』

「え……あ……ご、ごめんなさい、嬉しくて……」

『なんで謝るんですか。可愛すぎて心臓痛いです』



……っ。

和泉くんの甘いセリフに、私のほうがドキドキして心臓が痛くなった。



< 63 / 94 >

この作品をシェア

pagetop