無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
『電話できて嬉しいです。今大丈夫でしたか?』

「は、はい……!」

『そうですか。先輩今部屋にいますか?』

「は、はい……」

「じゃあ、少し話しましょう』

「は、はいっ……」

『先輩、はいしか言ってないですよ』



また和泉くんの笑い声が聞こえて、ぎゅっと胸を押さえた。



「和泉くんの声、ドキドキして、緊張して……」



普段もずっとドキドキしてるけど……スマホから和泉くんの声が聞こえるって変な感じだっ……。

ずっと聞いていたいな……なんて、そんなことを思ってしまう。



『……なんでそうやって可愛いことばっか言うんですか』

「え、あっ……」



か、可愛いこと?

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