無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
私のカメラがオフになっていたから、オンにしようと思ったけど、なかなかうまくいかない。



「あの、設定がとかでてきて……」

『あー……口頭で説明しても、難しいかもしれませんね』

「ごめんなさい……」

『いや、次会ったときに教えます。声が聞けただけで十分です』



そんなふうに言ってくれる、優しい和泉くん。

和泉くんはカメラを切ろうとしているのか、画面に手を伸ばした。



「あの、和泉くん」



もう少し和泉くんを見たくて、咄嗟に止める。



『ん?』

「このままカメラの方を見てもらえませんか?」

『……こうですか?』



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