無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
「ありがとうお母さん……!」

「ふふっ、やっぱり似合うわ〜! それにしても、今日はお友達とお出かけ?」

「あ……えっと……」



そういえば……お母さんには言ってなかった。

お兄ちゃんとお父さんにも言っていないけど……さきに伝えておいた方がいいかな……。

お母さんに、隠し事はしたくない。



「こ、恋人と……」

「……こい、びと……?」



復唱するように、声に出したお母さん。



「え……えええええ……!!!」




家中に響くくらいの大きな声で、お母さんが叫んだ。

今は家にふたりしかいないけど、お父さんとお兄ちゃんがいたらきっと飛んできただろう。



「い、いつから!? どんな子!? 学校の子!? 年上!? 同級生!? 年下!?」

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